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ショパンコンクール二次予選を聴いて
こんにちは。長崎市のピアノ教室「スタジオアポロ」主宰の野中です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
最近はすっかり趣味寄りの更新が続いておりますが、今回もその延長でお付き合いください🙇♀️
レッスン中、生徒さんから「先生、顔大丈夫!?」と心配されるほど、ここ数日は夜更かし続きで目がパンパン。
実は、夜な夜なショパン国際ピアノコンクールの二次予選を毎晩聴いては感動し涙しておりました。
前回更新したようにショパンコンクールは、5年に一度ポーランドのワルシャワで行われる世界最高峰のピアノコンクールです。今ではその模様が全ステージ、生配信で届けられるという贅沢な時代になりました。
しかもすべての演奏がアーカイブとして残され、何度でも聴き返すことができ音楽を学ぶ者としてこんなにありがたい機会はありません。
ただし7日からは長崎くんちで早朝から賑やかな日々が続き、ショパコンについては思うように追いかけられなかったのですが、13日早朝に結果が発表されるとのことで、急いでアーカイブを観ながら、最終日の12日夜(日本時間では深夜0時開始)には途中までリアルタイムで聴きました。(二次は一人あたり50分近くのプログラムなのです...。)
朝起きてから録画で観れば良いのにと自分でも思うのですが、どうしても結果を知る前に聴きたかった。
そうじゃないと、無意識のうちに「これが評価された音なんだ」と思ってしまうから。
純粋に、自分の感性で感じたかったのです。
音楽は、本来もっと自由で、個人の感性に委ねられた芸術。なのですがある意味「正解」が決められている世の中で自分の感性を信じること、“みんなが言うから正解”ではなく、“感じる力”を大切に育てていく難しさを感じる最近。
二次に残っているピアニストたちは、もう全員が素晴らしい実力者。けれど響きの明るさや音の密度、フレーズの作り方、そして音楽の呼吸のようなものはどれひとつとして同じではありません。
持っている響きや、使用する楽器、音楽の構成などは個性豊かで(同じメーカーのピアノでもピアニストによって音が変わるのは本当に不思議なこと!)、また曲もエチュードやポロネーズでは同じ選曲が多く、同じ曲でもこんなに違うのか!と本当に面白い。
そんな中で一体ワルシャワではどのような演奏が評価されるのか?それがとても気になりました。(もちろん配信を見ているのみなので実際の響き、会場の空気感は分かりませんが)
特に印象に残ったのは、牛田さんの葬送。その音には、品格があり繊細で、静けさ、そして祈りのようなものがありました。
一次のときは、どこか張り詰めた緊張が伝わってきましたが、二次では完全にご自身の世界に没入されていたように感じます。
全員の音が本当に素晴らしくて、努力と情熱が伝わってきて…胸がいっぱいになりました。
三次予選も始まり、しばらくはショパンの音楽に浸る幸せな日々が続きそうです。